009ノ1

 平坦な声で思いだしたのが、アニメ版009ノ1。原作の方は手元になく、うろ覚えだが、原作のストーリを流用している部分は有るものの、全くの別物。
 原作では、ヒロインは無理やり諜報員にされ、いやいやながらやっている様子で、ストーリ全体にも、もの悲しい雰囲気が有ったと記憶している。所が、アニメ版では、他に選択しが無かったとはいえ、進んで諜報員を選択している。さらに、ヒロインにもの悲しい雰囲気は無く、実にあっけらかんとしたものだ。又、原作では直ぐに殺された弟が、シリーズ全体に対して登場している。
 まあ、作品的には悪くはないし、脚本もいい。が、アニメ化するのが遅すぎで、まさに時期を逸している印象が有る。正直、今時、こんな大時代な諜報員物を見せられてもという感じだ。実際、第一話を見た時は、続きを見るのを止めようかと思ったくらいだ。
 で、あの平坦な声だ。最近の流行りなのだろうか。まあ、やっぱり下手なだけで、声優の選択ミスだろう。なにしろ、あの声のおかげで、物語は淡々と進んでいく事になり、盛り上がらない事、はなはなだしい。もっとも5話の[ 黄金の女 ]に関しては、あの声は似合わなくもない、が、感情がこもっていないので、繰り返すが盛り上がらない。