日本の後追いを始めた海外のSF。

 3巻目が、もう出てきている。1巻目で準主役級の人物が、亡くなったのには虚をつかれた。まあ、1巻目でおもわせぶりだったのに、2巻目では主人公とは別な相手をパートナとしたので、ストーリ展開としては、此れも有りなのかも知れない。
 それにしても、クリス・ロングナイフ・シリーズの3巻目が、こんなに早く出るとは思わなかった。第一部全話を早々に出して、ある程度の読者を確保しようという所だろうか。
 所で、カイラーラ・ヴァッタ・シリーズの4・5巻は、いつ出るのだろうか。さすがに、そろそろ出して欲しいのだが。作品としては、どちらも捨て難いのだが、カイ・シリーズの方が設定は兎も角、生活臭が有るとでもいうのか、そういう感じがあり、そのせいか、なんとなく続きが読みたく思う時がある( *1 )。
 この系統のシリーズとしては、他にもオーナ・ハリントン・シリーズが有るのだが、これは好みでは無いので、読んでない。
 さて、この系統のシリーズを読んでて思うのは、海外が日本の後追いを始めたという事だ。但し、日本のそれが、若い無経験な少女が多く、作品としてもライトノベルライトノベル的なのに対して、海外のは総じて分厚い長編で、内容も政治・軍事・経済が絡む、それなりに複雑な物となっているし、主人公は、軍事訓練を受けた20代のしっかりした女性だ。この違いは、文化的な違いなのか、読者層の違いか、それとも国内市場しか考慮していない日本に対して、最初から国際市場を対象にしているせいなのか。もっとも、昨今の海外のSFは、長編では有りつつも、微妙に内容がライトノベル化してきてはいるので、この先がどうなるのかは不明。
 但し、読み手としては、このくらいが丁度良い。海外の作品の、これ以上のライトノベル化は勘弁して欲しい所。最も、日本の市場に合わせる為に、ライトノベルぽっく翻訳しているのかもしれなく、まあ、それくらいなら、妥協の範囲だろう。
 さて、調べてみると、ミリタリSFというジャンルが有るようだ。知らなかった... 。まあ、ハインラインの[ 宇宙の戦士 ]なんかは、その通りかも。という理由で、ミリタリSFに日本流の女性主人公を取り入れたという所か。それゆえ、主人公は士官が多く、年齢も最低でも20代となるようだ。もっともライトノベルなら、士官学校を登場させて、無理やり10代にする所だ。
 まあ、女性を主人公にする事で、汗臭く硬い雰囲気のミリタリSFが、何となく華やいだ雰囲気になるのだから、採用しない手はないだろう。

*1:あまり良い表現では無いのだが、さりとてリアリティが有るというのとも違う。生臭いとか、人間臭いというのとも、違うし...