磯味

 ラーメンの基本的な味付けといえば、味噌味・醤油味・塩味の三つがベースで、トンコツなどは、この三つのベースへの追加という形を取る。もう一度言うが、味噌味・醤油味・塩味が三大ベース味だ。が、四番目が有るのをご存知だろうか? その四番目が[ 磯味 ](いそあじ)という。
 で、この[ 磯味 ]を始めて食した時だが、何処ぞの漫画の頑固オヤジがちゃぶ台をひっくり返すよろしく店の机をひっくり返して、怒鳴りつけてやろうかと思った程、不味かった。たまたまラーメンを運んできたのが、お手伝いの小学生くらいの女の子だったので、なんとか思いとどまれたが、そうでなかったら、本当に怒鳴っていたかも知れない。
 どんな味かというと、[ 海の水を柄杓で掬い上げて温めたものをスープにして麺を入れたら、かくいう味になるだろう ]という物。実際、この表現を聞いて、大抵の方が[ そんな感じ ]と同意したので、それ程ハズレた表現では無いハズ。
 所が、[ そんなに悪くは無い ]という何方かというと肯定するような意見も一部に有る。で、調べてみた所、海鮮系の方だと、そこまで酷いとは感じないようで、場合によっては[ 悪くない ]という事になるようだが、そのレベルは、[ ホヤをオカズに飯が食える ]というくらい馴染んでないとダメな様子。
 というわけで、ベースとなる味覚により左右されるようなので、本当に不味いのかどうかは不明だが、何れにしろ、かなりコアな味である事は間違いない。主に三陸近辺で出ているので、気になる方は一度食してみてはどうだろうか。只、基本的にはオススメしない( *1 )。
 尚、ここまで読めば察しがつくかと思うが、要は海鮮系の塩味なのだが、その海鮮系というのが尋常ではない為、海鮮系塩味ですらなく、磯味となる。

*1:一般受けするように海鮮系塩味風味にしている物も有るのではないかと思うので、本物の磯味に巡り合えるかは保証しない。