45度ズラしたFAN

 Dellのコンピュータを開けてみると、CPUファンを45度ズラして取り付けていた。一体、何の為にこんな事をしているのだろうか。

コスドダウン?

 45度ズラす事で、70□のFANは100□相当になる事から、より大きな、つまり100□相当のヒートシンクの冷却が可能となる 。大口径用ヒートシンクに小さいFANを使用する事で、FANの単価を低く出来るように思うが、風がヒートシンクに満遍なく当たる、つまり45度ズラした事で発生する隙間から風が逃げないように、ヒートシンクにカバーが必要となる。結果として妙なカバーを付ける事で、コスドダウンどころか、むしろコストアップになるだろう。実際、随分と立派なカバーが付いている。

部品の共通化?

 ファンだけ70□で共通化して、サイズ違いはカバーで対応しようという方法。これは、前項のコストダウンと同じで、逆にコストアップになる。

静音化又は省電力化?

 これも考え難い。静音化又や省電力化を狙うなら、むしろ大口径のFANを付けて回転数を落としたほうが、より効果的だ。

省スペース?

 FANのサイズは[ 40□, 60□, (70□), 80□, 90□, 120□, 140□ ]となっているから、100□のFANは無い。従って、120□のFANを取り付けるべき所に100□を使用すれば、確かに20mmの省スペースとなる。だが、そこに90□のFANを使用したら、何か不都合が有るのだろうか。90□はさらに10mm小さいからトータルでは30mmの省スペースになる上に、70□よりは静音となる。消費電力も大した差は無いか、むしろ低くできるだろう。

在庫処分?

 大量に70□ファンが余っているので、カバーを新規に作成した方が、新たに90□のファンを購入するよりは安く付いたというのは考えられるが、金型というのは結構高価。転売可能な製品でも有るので、在庫の処分費用もそれ程かかるとは思えない。金型代を出してもペイするという事はあるのだろうか。
 FANだけならペイするのかもしれないが、問題はヒートシンク、100□のFANなど本来は存在しないのだから、当然100□用のヒートシンクも新規作成となる。とてもじゃないが、ペイしするとは思えない。

設計又は発注ミス?

 設計又は発注ミスの尻拭いというのは有りそうだが、何を間違えるとこんな事になるのか、チョット想像出来ない。考え付くのは発注数量の間違いくらいだろうが、それは先の在庫処分と同じ。

 結局、45度ズラしている理由は不明。うーん、何か見落としがあるのだろうか。