帝国を継ぐ者

 表紙を見て気にはなっていたものの、イマイチ手が出ずにいたのですが、BOOK OFFで見かけたので購入。
http://www.amazon.co.jp/%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%82%92%E7%B6%99%E3%81%90%E8%80%85%E2%80%95%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%ABSF-%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%BBC-%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%84/dp/4150115427
 結論から言うと、看板に偽り有りで、表紙の印象を裏切る痛快活劇もの。表紙の人物が敵役の皇女なのは、裏表紙の要約を読めばすぐにわかるが、絵から受ける印象では、情に薄そうでは有るが、意思の強さと聡明さを感じさせることから複雑なストーリを予想したので、拍子抜け。
 考えなしに読む分には、まあ、そこそこ面白いのだが、ストーリにも設定にも深みはなく、主人公は、出たとこ勝負でテキトーに暴れているだけという有様。世界観もかなりいい加減で、金さえ払えば一般市民を巻きこんだ無差別殺人が公認という世界。さすがにそんな社会は成り立たないだろうと。しかも悪役の皇女は殆ど登場しない上に、ハッキリ言って、そうとう間抜け。まあ、よく考えれば、主戦派の人間が優秀なわけが無い。
 さらに、この皇女、反対勢力の監視用に釈放されるのだが、シリーズタイトルを見る限り今回のみの使い捨てキャラの模様で、いわばどうでもいいキャラ。んなキャラをメインで表紙にするなと言いたい。もっともそうでもしなければ、表紙の描き用が無かったのだろうが。
 それにしても、最近の作品にしてはレベルが低いので訝ったら、1980年代の作品。いや、そんな昔の作品を今頃翻訳されても。まあ、まったくしないよりは良いのかもしれないが。とはいえ、そこそこには読めたので、ハリウッド映画のようなエンターテインメントな作品が好きな方にはお勧めかもしれないが、そうでない方は止めた方が無難でしょう。