宇宙船ビーグル号の冒険

 言わずとしれたA・E・ヴァン・ヴォークトの名作である。実はキャプテン・フューチャが余りにも酷いので、口直しに翌日即効で購入して読んだ。ああ、マーベラス。勿論、かなり早い時期に読んではいたが、その後、読み返してはいない上に手元に置いていなかったので、新たに購入したというわけだ。
 所で、あと書きに高く評価しているのは日本だけで、その理由が日本人が本書にSFとしての理想形を見ているからだとしているが、これはどうだろうか。間違いではないが、本書の題名からもわかるように、欧米より日本での評価が高いのは、進化論がらみである可能性は非常に高いと言ってもいいだろう。にもかかわらず、その点について、あと書きは触れていない。題名から察しがつくので、面倒な話題を避けた可能性もあるが、日本語で書かれたあと書きを欧米人が読むハズもなく、そのような配慮は無用で、むしろ積極的に語るべきである。いづれにしろ、このあと書きには及第点は付けられない。

追記( 2009-09-06 )

 あと書きでは[ 題名は、進化論で有名なダーウィンの名著『ビーグル号航海記』のもじり ]の記載以外には、進化論には一切触れていない。