ライトノベル^2

 暇つぶし用の本を探していて、[妖怪アパートの幽雅な日常]を読んでみて、びっくり。ライトノベル^2( *1 )とでも言うのだろうか、ライトなライトノベル、つまりは、携帯小説程ではないが、さりとてライトノベル程でもない。ライトノベルよりさらにライトなのだ。
 正直、読んでいて、鬱陶しい事この上ない。何しろ、しょっちゅう状況説明が入るし( *2 )、物語も極めて単純化されていて、深みもクソも無い。解説を読むと、此れが結構売れているらしいのだから、驚きだ。取り敢えずは、どう展開するのかと、6巻くらいまで読んでみたのだが、さすがに7巻目は読む気になれない。
 もちろん、この作品が本来の作風ではなく、意識的にレベルを落として、このような記載をしている可能性は有る。例えば、[ 謎解きはディナーのあとで ]は、[ 妖怪アパートの幽雅な日常 ]程ライトではないが、通常のライトノベルよりはライトだ。が、東川篤哉氏の他の作品を読んでみると、[ 謎解きはディナーのあとで ]は、意識的にレベルを落として記述しているのが分る。
 なので、あえて此の様な記述をしている可能性は有るのだが、さすがにここまでライトだと、他の作品を読もうという気にはなれない。冒頭で、ライトノベル^2と記載したが、むしろ、ライトノベル^3かもしれない。そう言えば、あかほりさとる氏がライトノベルよりさらにライトな物を云々と言っていたのは、このような作品の事なのだろうか。
 それにしても、ターゲットにしている読者層というのは、どういう層なのだろう。中高校生は勿論、小学生でもここまでレベルを落とす必要は無いだろうし。

補足

 たまたま、書店の児童書コーナで発見。で、児童ライトノベルという事らしい。つまりは児童文学のライトノベル。ならば、こんな物かもしれない。しかし、文庫版には、児童向けとは記載されておらず、通常の講談社文庫として出ている。いづれにしろ、そういうジャンルの文庫を設けるなどして、通常の文庫から出すのは止めて欲しい。
 それにしても、児童向けなのに、主人公が高校生と設定が奇妙。対象はどうみても小学校低学年向けなのに。

*1:知らない方の為に記載すると、プログラム等では[^]はべき乗を表す記号として使用されます。

*2:数ページ毎に有る、普通は多くて各話毎。