日本海の呼称について

 正直、この問題を知った時は、余りにも身勝手( *1 )な主張に呆れてしまった。話が少々離れるのだが、隅田川の名称をご存知だろうか。こんな事を書くと、何を今更、隅田川隅田川だろうと言われそうだが、隅田川は上流から下流に下るにつれて[ 荒川( or 宮古川 ) - 大川( 吾妻橋近辺まで ) - 隅田川( 下総国側 ) or 浅草川( 武蔵国側 ) ]と名称が異なっている。その他にも[ 角田川, 墨田川, 住田川, 千住川, 須田川, 宮戸川, 今戸川, 両国川, 墨水( ぼくすい ), 澄江( ちょうこう ) ]等の名称が有る。初めて知った時は、一つの川に複数の名称が有る事に驚いたが、よく考えてみれば、交通の便が悪かった昔は、集落単位で名称が異なっていても不思議ではなく、むしろ、統一した名称が有る事の方が不自然だろう。


 荒川と隅田川は別という認識の方がいらっしゃるかも知れませんが、そもそもは、[ 荒川 = 隅田川 ]です。地図上では、荒川から岩淵水門で分岐した支流が隅田川のように見えますが、この隅田川は支流ではなく荒川の本流です。従って、岩淵水門から下流の荒川は、元々は荒川では無く人工的に作られた放水路で、昔は荒川放水路と呼称されていました。
 つまり、何が言いたいのかと言えば、そんな物、その地域に接している国の数、民族の数だけ名称が有るに決まっているだろうと言う事だ。なので、併記を認めたら、収拾がつかなくなる。例えば太平洋に総ての国の名称での併記を認めたら、太平洋が太平洋の別称でうまってしまうかも知れない。さらには、同一の国家・民族でも、歴史を遡れば集落単位で名称が異なっていた可能性も十分に有り得る。大体が、百済新羅高句麗伽耶諸国等で名称は同じだったのだろうか。

米国側は「政府レベルの意見ではなく、地名委員会が定めたガイドラインに沿って、専門家が示した意見だ」と説明したという。米国は「海洋の呼称は併記しない」という「単一呼称原則」に従い、東海と日本海という二つの呼称を併記することに反対している。一つの呼称で表記するならば、20世紀初めから世界の地図で主流となっている「日本海」という呼称を選ぶべきとの立場だ。


http://www.chosunonline.com/news/20110809000033

 なので、[ 一般的に広く流布している名称を使用する ]というのは、妥当な判断だろう。そもそもが、この問題、一体、韓国にどういう利益が有るのだろうか。むしろ、自ら不利益な行為を行っているとしか思えないのだが( *2 )。

補足

 別な考えとしては、接している領域の多い国の名称を使用するというのも有りで、それなら日本海に決まりだろう( *3 )。
 又、接している国で多数決というのも有りそう。この海域に接している国を、接している領域の多い順に記載すると、以下のようになり、ロシアは[ 日本海 ]表記と成っているので、多数決では半々。

 呼称に関しては、ロシアにも権利が有るのだが、さすがに益にもならない事なので、関心が無いようす。
 ちなみに、同様の問題はと探すと、[ ペルシア湾 ]も有るようだ。ま、いづれにしろ、気持ちは分からないでも無いが、無用な混乱を避けるという意味では、[ 広く使用されている ]か[ 接地領域の多い ]かのどちらかが無難な所だろうし、こういう多数の国に跨がる地名に、[ 方角 ]を意味する言葉を入れるのは、不味いだろう( *4 )。

*1:自国のみで、ロシアの名称の併用を主張していない点と、日本海に接する領域が最も少ない事。さらに名称に方角が含まれている点は、ハッキリ言って無神経だろう。

*2:経済的には何の利益にもならないし、大多数の国に取っては面倒なだけの下らない問題で、韓国の評価を下げるだけ。更に各国の未来の主権者( 学生 )には恨まれる結果となる。又、この下らない問題に、なにがしかの外交努力を食われる結果となり、その分、肝心な問題への外交力が低下する可能性すら有る。

*3:一番接している領域が多いのは、多分ロシア。そのロシアは日本海と表記

*4:国名を入れのも不味いと言えば不味いのですが。