expは一般的な表記か

 所要があってサーミスタについてwikiで調べていて驚いた。

R = Ro exp ( B ( 1/T - 1/To ) )


サーミスタ - Wikipedia

さすがにこの式では、プログラマ以外は理解できないのではないだろうか。[ exp ]という表記は、プログラミングでは使用するが、数式としてはあまり使用しない( *1 )。実際、検索すると[ 数式の中に出てくるexpって何を意味してるんでしょうか? ]という質問が散見される。通常は、以下のように記載するのが普通で、当然、英語版では以下の記載となっている。

R = Ro e^( B ( 1/T - 1/To ) )


Thermistor - Wikipedia

 又、expには以下の2つの意味がある。

  • e^x
  • 10^x

プログラミングとしては[ e^x ]であるが、電卓でexpと言えば[ 10^x ]を指す事からも、この表記は不適切だろう。
 これは、どういう事なのだろうか。調べてみると、日本語wiki内ではexpの表示が蔓延していてる様子。又、サーミスタメーカの説明でも、どちらが先なのかは不明だが、同様にexp表示となっている上に、web上にも多数の同様の記載が見られる。多分、大元はwikiだろう。
 ついでに記載すれば、先の式は不親切だ。常識的に考えれば、一番需要が有るのは抵抗値を温度へ換算する式のハズ。所が、掲載しているのは、温度から抵抗値を求める式。変換はそれほど難しくは無いとはいえ( *2 ) 、不親切と言えよう。さらに、サーミスタメーカも同様の記載なのだから、呆れてしまう。
 前々から思っていたのだが、どうもwikiは変。ミスや嘘の記載も多く、今回のように普遍的な記載を心がけようという様子が感じられない。どうにかして欲しいものだ。
 所で、対数関数の場合は、常用対数・自然対数と呼び方で識別しているが、指数関数の場合は、あまり聞かない。常用指数・自然指数とでも呼ぶのだろうか。

補足

 exp表記には別な問題も有る。直感的にべき乗である事が理解し難い点だ。恐らくは、スプレッドシートの普及で、exp表示でも通じると判断したのだろう。
 ちなみに、先のwikiの説明は、別な意味でも不親切。サーミスタを使用する場合は、サーミスタが発熱する事で測定値がズレるのを防ぐ為に、外部に抵抗をシリーズ接続して分圧するのですが、その記載が無い。

*1:大学の教科書ですと使用されている事が有りますので、数学的な表記としては間違いでは有りません。が、義務教育及び高校の教科書では少数派でしょう( 未確認 )。

*2:べき乗なので、簡単とも言えない。実際、検索すると変換式の質問例も有る。で、その回答が間違っていたりするのだが。