武士道セブンティーン

 面白い。武士道シックスティーンは既に読んでいたのですが、その時点では、ハードカバーを購入してまで読みたい感じでは無かったので、文庫が出るまでまったのですが、速攻で、ハードカバーの武士道エイティーンを購入しました。
 ちなみに、漫画版(2種)と映画(DVD)も出ているのですが、ハッキリ言って、映画版は別物で、友情に焦点を当てた典型的なアイドル物。本来推薦組の久野と田村が、中等部からの持ち上がりで、西荻(甲本)の友人に変更されています。又、磯山は、全国大会優勝で[ 準 ]が無いし、家は道場で母親はなく、完全に別作品。特に酷いのは剣道のシーンで、映画としての水準にすら達していません。本来、剣道物では有りませんが、TVドラマの[ 鹿男あをによし ]の剣道シーンの方が遥かにマシ。映画なのに、TVドラマにも負けている時点でどうかと。カメラマンは何をしていたのやら、というか、映画なんだから特撮でもプロの代役でも、いくらでも方法があったかと。こういう場合、監督と脚本のどっちが問題なんだろうな〜と思っていたら、両方とも同一人物。えー、ハッキリ言って、この方の映画はもう見ません( *1 )。
 漫画版の方ですが、どちらが良いかは好みの問題という感じで、それ程差は無いのですが、オリジナル要素があるアフタヌーン版よりは、ほぼ原作通りのマーガレット版の方が良いかと。それに、アフタヌーン版の磯山のデザインは作者の趣味まるだしで、いただけません。何と、磯山がメガネをかけているのですが、磯山の生活の何処に目を悪くする要素があるのかと...。
 武士道エイティーンですが、後日談とサイドストーリ数話の構成で、前作の2冊とは趣きが異なり別もので、事実上の最終巻。多分、武士道ナインティーンや武士道トゥエンティは無いでしょう。
 所で磯山以外の進学先が不明。特に記載が無い所をみると、みなさん、そのまま大学部に持ち上がりでしょうか。うーん、そうすると、大学では磯山が敵... 。もっとも、敵がいいのか、味方がいいのかは微妙ですが... 。まあ、やっぱり、味方でしょう。その方が自分達のレベルも上がりますし。そういう意味では、東松学園( *2 )にとっては残念ですし、東松学園の雰囲気は磯山にとってもプラスになったように思うのですが。もっとも甲本のいない東松学園よりは、甲本のいる大学生活の方がプラスかも知れません。それにしても、大学生活で一般常識が多少は身につけば良いのですが... 。で、大人になった磯山というのは、[ 鹿男あをによし ]の京都女学館剣道部顧問みたいな感じでしょうか、但し、教科はどうなんでしよう。数学は有り得ないだろうし... 。

*1:わざとやった。つまり演出という可能性も考えらえれますが、そうだとしたら、演出としては逆効果。

*2:モデルは[ 桐蔭学園 ]