遠まわりする雛

 [ 遠まわりする雛 ]の文庫版を購入した。表紙は校舎を下から上に向けて撮ったような写真。文庫版で表紙を変えたという事は、四六版の表紙に特別な意味はなかったという事になる。だとすると、四六版の表紙は内容とはマッチしていなかったから、その上、何の意味もなかったのでは、カバーデザインに疑問を持たざるを得ない。こうなると、いよいよもって[ ふたりの距離の概算 ]の表紙に対する疑問も強くなる。
 所で、文庫版の写真だが、収録短編の幾つかとは合うのだが、肝心の[ 遠まわりする雛 ]とはマッチしないし、[ 正体見たり ]や[ あきましておめでとう ]等とも合わない。正直な所、神社の境内の写真か、田園風景の方が、よほどマッチしていると思うのだが、何故そうしなかったのだろうか。