コナン・ドイルの事件簿

 [ コナン・ドイルの事件簿 ]のDVDを見たのですが、結構面白い。但し、やや暗い感じで、ホームズシリーズのような爽快感は無く、万人向けとは言いがたい。基本的にはシャーロキアン向けだろう。
 作品としては、ホームズの位置にホームズのモデルとなったドクタ・ベル、ワトソンの位置にドイルという構成。特に最終話の5巻が印象的だが、全話の最後として見ないと意味は無い。ドイルの複雑な家庭環境を絡めて、師弟関係から擬似的な親子関係をへて友人関係へと、ドイルの成長とドクタ・ベルとの関係の変化など、推理物としては人間模様の出来も良い。
 但し、ドイルの性格が一般的な記載とは異なる上に、俳優も似ていないのが難では有る。もっとも、それを補うかのように、ドクタ・ベルの推理と迫力は凄い。
 書籍としては、文集文庫から1冊出ているキリのようだ。
『患者の眼 シャーロック・ホームズ誕生秘史 1』デイヴィッド・ピリー 日暮雅通・訳 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS